尾野真千子
尾野真千子は奈良県出身の女優です。代表作は映画「萌の朱雀」「クライマーズ・ハイ」、テレビドラマ「カーネーション」などです。神経質な女性から、キャリアウーマン、心に闇を抱える母親の役など幅広い演技で近年注目を集めている女優です。「オノマチ」の愛称で、若い女性から年配の方にまで広く親しまれています。
他の映画はともかくこの映画だけは見た方がいいです
プロフィール
1981年11月4日生まれ。奈良県吉野郡西吉野村に4人姉妹の末っ子として生まれました。中学三年生のとき、地元の中学校で靴箱の掃除をしている際に映画監督・河瀬直美の目に留まり、女優の道を歩み始めます。1997年に河瀬監督の映画「萌の朱雀」で主演デビューを果たします。奈良県立御所高等学校を卒業後、上京して映画を中心に女優として活動を開始します。地元の奈良県で撮影された映画「殯の森」で再び河瀬監督とタッグを組み、主演に抜擢されます。「殯の森」は第60回カンヌ国際映画祭でグランプリを獲得し、日本のみならず世界で注目を浴びる作品となりました。2011年には、オーディションを勝ち抜いて平成23年度下半期のNHK連続テレビ小説「カーネーション」のヒロインに起用されました。この作品ではコシノ三姉妹の母でファッションデザイナーの小篠綾子をモデルとした主人公・小原糸子を好演し、高い評価を得ました。
出演作
映画
- 1997年「萌の朱雀」・・・みちる役
- 2001年「EUREKA」・・・沢井美喜子役
- 2001年「ギプス」・・・大下和子役
- 2001年「man-hole」・・・梨絵役
- 2001年「あしたはきっと・・・」・・・倉持美喜子役
- 2004年「リアリズムの宿」・・・川島敦子役
- 2004年「世界の中心で、愛をさけぶ」・・・朔太郎の姉役
- 2004年「茶の味」・・・進行役の女の先生役
- 2006年「ナイスの森~The First Contact~」・・・ミーコ役
- 2006年「I am 日本人」・・・中山玲子役
- 2006年「ありがとう」・・・古市千栄子役
- 2006年「気仙沼伝説」
- 2007年「殯の森」・・・真千子役
- 2008年「山のあなた~徳市の恋~」・・・大学生役
- 2008年「クライマーズ・ハイ」・・・玉置千鶴子役
- 2008年「旅立ち~足寄より~」・・・菊池絵里子役
- 2008年「ヤーチャイカ」・・・新菜役
- 2008年「琥珀色のキラキラ」・・・道子役
- 2009年「笑ひ教」
- 2010年「真幸くあらば」・・・川原薫役
- 2010年「トロッコ」・・・矢野夕美子役
- 2010年「Shikasha」・・・母役
- 2011年「心中天使」・・・アイ役
- 2011年「小川の辺」・・・幾久役
- 2012年「外事警察 その男に騙されるな」・・・松沢陽菜役
- 2012年「のぼうの城」・・・ちよ役
- 2012年「honey hole」
- 2012年「大奥~永遠~」・・・柳沢吉保役
- 2013年「探偵はBARにいる2 ススキの大交差点」・・・河島弓子役
- 2013年「謝罪の王様」・・・宇部美咲役
- 2013年「そして父になる」・・・野々宮みどり役
テレビドラマ
- 1998年「余命半年 生前給付3000万円の夢」
- 1999年「女性捜査官アイキャッチャー」
- 2000年「ひかりのまち」
- 2001年「介護ビジネス」・・・倉島由子役
- 2001年「Ready Made」
- 2002年「世にも奇妙な物語 春の特別編『無視ゲーム』」
- 2002年「ケータイ刑事 銭形愛」・・・弥生役
- 2002年「明日は陽のそばで」・・・美穂役
- 2003年「人情とどけます~江戸・娘飛脚~」・・・おまき役
- 2003年「怪談新耳袋『第三診療室』」
- 2003年「恋する日曜日」・・・浜子役
- 2003年「ケータイ刑事 銭形愛」・・・渡邉睦月役
- 2004年「砦なき者」・・・樋口AD役
- 2004年「人間の証明」
- 2005年「義経」・・・義経の正室・萌役
- 2005年「救命病棟24時」・・・橘ゆかり役
- 2005年「積木くずし真相~あの家族、その後の悲劇~」
- 2006年「芋たこなんきん」・・・花岡昌江役
- 2006年「東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~」・・・由紀子役
- 2006年「役者魂!」・・・レポーター役
- 2007年「東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~」・・・坂巻たい子役
- 2008年「なでしこ隊~少女達だけが見た特攻隊・封印された23日間~」・・・孫田智恵子役
- 2009年「警官の血」・・・守谷久美子役
- 2009年「空飛ぶタイヤ」・・・杉本恭子役
- 2009年「火の魚」・・・折見とち子役
- 2009年「外事警察」・・・松沢陽菜役
- 2009年「25分 私が初めて創ったドラマ『ウラ声ボーイズ』」・・・ヨシムラ響子役
- 2010年「横山秀夫サスペンス『誤報』」・・・手塚理絵役
- 2010年「Mother」・・・道木仁美役
- 2010年「MM9-MONSTER MAGNITUDE-」・・・朏万里役
- 2010年「ジョーカー 許されざる捜査官」・・・根津美代子役
- 2010年「ニセ医者と呼ばれて~沖縄・最後の医介輔~」・・・仲前由美役
- 2011年「CO 移植コーディネーター」・・・須藤亜季役
- 2011年「名前をなくした女神」・・・安野ちひろ役
- 2011年「カーネーション」・・・小原糸子役
- 2012年「マグマ」・・・野上妙子役
- 2012年「サマーレスキュー~天空の診療所~」・・・小山遥役
- 2012年「疑惑」・・・白河球磨子役
- 2013年「最高の離婚」・・・濱崎結夏役
- 2013年「夫婦善哉」・・・蝶子役
映画見よう映画
魔性の女優・尾野真千子
最近テレビや映画でよく拝見する尾野真千子さん。画面を通して観た彼女の印象は、気難しくて人見知りな方なのかなと勝手にイメージしていましたが、バラエティーや映画のメイキング映像を見ると、とても溌剌とした明るい女性であることがわかります。本来の彼女の性格とは裏腹な役柄が多いのも、ひとえに彼女の演技力が素晴らしいからだと思います。私が尾野真千子さんという女優を意識し始めたのは、「クライマーズ・ハイ」でした。この中で彼女は、飛行機墜落事故の原因を突き止める女性記者の役を熱演しています。作品の中で、その原因は非常に重要な役割を担っていて、スクープになるかも知れない情報だったのにも関わらず、確信が持てなかった上司が掲載を断念するという結果を辿ります。その時の尾野さんの悔しさを押し殺して、上司に面と向かって抗議する芯の強い女性像がとても印象的でした。また、ドラマ「Mother」での狂気に満ちた母親の役もインパクトがありました。有名子役である芦田愛菜ちゃんの出世作ともいえるこの作品では、自らの娘をゴミ袋に詰めて捨ててしまうという酷い母親の役で、前半はただただ恐ろしい母親という印象でしたが、後半は娘に手を上げてしまったことを心から後悔し苦悩するという難しい役を好演していました。なんとなく、暗い重たい役が多い気がしますが、彼女の活気に満ちた性格を生かして元気な女の子の役なども演じてほしいなと思います。