映画「外事警察 その男に騙されるな」
ネタバレ

映画「外事警察 その男に騙されるな」は、2009年にNHKで放送されたドラマ「外事警察」の続編として公開された映画です。麻生幾の警察小説「外事警察」を原案として製作されました。「スパイ天国」とも言われる日本で、公安警察の外事課とテロリストとの壮絶な騙し合いや情報戦争を描いており、テレビドラマ版、映画版ともに渡部篤郎が主演を務めています。

映画「外事警察 その男に騙されるな」について

2012年6月2日に日本公開された映画です。原案は麻生幾の「外事警察 CODE:ジャスミン」です。2009年に放送されたテレビドラマの劇場版であり、渡部篤郎、尾野真千子などテレビドラマ版のキャストに加え、キム・ガンウ、イム・ヒョンジュンをはじめとする韓国人キャストや、真木よう子、田中泯などの実力派俳優が集結しました。監督はテレビドラマ版の演出も務めた堀切園健太郎が勤め、制作チームには「ハゲタカ」のメンバーが再び集まりました。全国235スクリーンで公開され、初日2日間で興行収入7229万1600円、観客動員数は5万8501人となり、映画観客動員ランキングで初登場第7位となりました。テレビドラマ版の放送に先立ち、その脚本を読んだS・D・Pのプロデューサー・岩倉達哉がすぐさまNHKエンタープライズに映画化を持ちかけ、テレビドラマ放送終了後の2010年1月に東映が配給に内定し、映画化されました。脚本家の古沢良太も加わって企画を練るにあたり、新たな題材を求めて原案の作者である麻生氏や警察、防衛関係者などに取材を行った結果、タブーとされる「朝鮮半島」「核兵器」というテーマに挑むことになりました。撮影は2011年8月にクランクインし、9月からは約3週間に及んで韓国に及んでソウルと釜山にてロケが行われました。撮影は日韓のスタッフ合同で行われたほか、実際の外事警察経験者による技術監修も行われるなど、徹底的なこだわりを見せています。また、映画化にあたって映像にも新たな工夫が加えられました。撮影にはフィルムで撮影したような映像が撮れるデジタルカメラ「アレクサ」を使い、映像制作にあたっては映画フィルムの「銀残し」という現像技術を応用することで「外事警察」シリーズ独特の暗さを強調した映像がさらに洗練されており、見所の一つとなっています。

ストーリー

2011年3月11日、東日本を襲った未曾有の大災害「東日本大震災」。津波の脅威にさらされ、原子力発電所の事故の影響で立ち入り禁止区域に指定された東北の大学から、ある重要なデータが盗み出されていたことが分かりました。その事件から5ヶ月後、今度はCIAから北朝鮮のウランが日本に持ち込まれたという情報が持ち込まれます。盗まれた「重要なデータ」とは原子力関連部品の製造方法でした。このデータとウランがあれば、核爆弾を作ることができる・・・つまり日本は今、核によるテロの危機にさらされていると言うことなのです。非核を明言する日本で、核の製造が行われたとなれば、国家を揺るがすことになりかねません。そこで警察庁警備局長の倉田は、かつて「公安の魔物」と称された住本を呼び戻し、捜査に当たらせます。住本はまず韓国に渡り、核開発の第一人者であり在日二世の科学者、徐昌義の行方を追いました。徐を見つけ出した住本は、彼の死んだとされる娘が日本で生きていることを明かし、共に日本に帰るよう説得します。かくして住本は徐を日本に連れ帰ることに成功しました。一方住本の部下達は入管リストから不審人物を洗い出し、奥田貿易という会社の社長・金正秀に目をつけます。金は二年前に日本人女性と結婚して日本国籍を取得し、現在は奥田正秀と名乗って生活をしていました。日韓を行き来して密輸を行っている奥田は、一連の事件のキーマンであると断定した住本班。住本は「協力者」として正秀の妻・果織を選び、彼女の過去や秘密を武器に自分に加担するよう迫ります。果織は一人娘を守るため、仕方なく夫を裏切り住本に着くことを決めます。奥田が核爆弾の起爆装置を所持していると確信していた住本は、果織にその起爆装置を探し盗撮してくるよう命じます。夫への裏切りという良心の呵責と、見つかったら殺されるかも知れないという緊張感の中で何とか起爆装置の撮影に成功した果織。しかし住本はそれでは満足せず、今度は発信機をつけてくるよう命じたのです。しかし、問題の装置はすでに倉庫から消えていました。装置は既にソウルに持ち込まれてしまったのです。さらに悪いことに、もう一つの鍵であった徐昌義が姿を消していたのです。核によるテロを防ぐため、住本は再び韓国へ向かいます。テロリストと住本の最後の戦いが始まります。

サブタイトルに注目!!

見終わった後の第一声は「NHK頑張ったな!」でした。このご時勢に「核」「北朝鮮」「震災」をテーマに盛り込むのはかなり勇気のいることだったのではないかと思います。しかも中途半端に描いたら面白くないですし、批判の対象にもなりかねません。その点この映画は、綿密な取材と研究によって書かれているので、とても骨太な映画になっています。特筆すべきは、徐昌義役の田中泯さんでしょう。この映画のために10kg減量して撮影に挑んだそうですが、その鋭い眼光と狂気に満ちた姿はまさに“マッド・サイエンティスト”でした。そして、渡部篤郎演じる住本が恐いこと!にこにこしながら近づいてくるくせに、全然笑っていないのが分かる、というかわざとそう見せているんですよね。そうやって近づかれたら動揺するのも当たり前です。坦々とあくまで穏やかに話す住本の“裏”が見えてしまうから、周りの人間も観客さえも怖いと感じてしまうのでしょう。凄い演技でした。それからサブタイトル「その男に騙されるな」に注目です!わざわざ丁寧にサブタイトルにまで書いてくれているのに、そして注意して観ていたにも関わらず、私はまんまと騙されてしまいました・・・。私が言えるのは、「その男」は住本だけじゃない!ということだけです。これはぜひ、作品を観て確認していただきたいです。スパイ映画らしく全編通して緊張感に満ちていますが、「007」や「ミッションインポッシブル」のように派手なアクションもなく、淡々と進んでいくストーリーが実に日本っぽくてリアルです。ポップコーンを食べる余裕が無いほど、スクリーンに見入ってしまいます。そして、観終わったあとは、本当にこんな風に水面下で外事警察が動いていて、私達の知らぬ間にテロが防がれているのかもしれない・・・、隣にいる人が実は潜入捜査官かもしれない・・・なんて妄想に浸りたくなることでしょう。

ドラマ版「外事警察」

映画版の前作であるドラマ版は、2009年11月14日から12月19日までNHKで放送されました。全6話の本作のキャッチコピーは「その男に、騙されるな」でした。ドラマのタイトルロゴの下には外事警察を表す隠語である「SOTOGOTO」の文字があります。映画版にもいえることですが、テレビドラマ版は原案小説に登場しない人物や、名前は同じでも所属部署や役割が違う人物が多く登場するなど、原案小説とは異なる部分が多いのが特徴です。視聴率は振るわなかったものの、第27回ATP賞テレビグランプリ2010ドラマ部門優秀賞を受賞するなど、評価の高い作品となっています。

あらすじ

警視庁公安部外事第4課作業班長・住本健司。彼をリーダーとするウラ作業班は、対国際テロ捜査を担っています。決して世の中に知られることなく秘匿で活動し、時として任務のためには手段を選ばない住本はいつしか「公安の魔物」と呼ばれるようになっていました。そんな住本の下にCIAから、国際テロリスト「フィッシュ」が日本に潜伏しているという情報が流れます。そしてちょうどその時期は、各国首脳が出席する「対テロ国際会議」を間近に控えている時でもあったのです・・・。

サブタイトル

原案者・麻生幾について

麻生幾(あそういく)は大阪府出身で本名非公開の覆面作家です。週刊文春の事件記者として活動していた1996年に、政府の危機管理システムの欠陥を描いたノンフィクション「情報、官邸に達せず」を発表し作家デビューを果たします。翌1997年、「文藝春秋」に「北朝鮮潜水艦敦賀湾に漂着す」を発表します。これを基に初のフィクションとなる「宣戦布告」を執筆しました。この作品は後に映画化もされています。メディアへの露出を避け、「北海道新聞」や「スポーツ報知」など紙メディアに限り、サングラスを着用しての顔写真を公開しています。実際の事件を題材にする事も多く、徹底的な取材に基づいたリアルな描写が高い評価を得ています。

作品

その男に騙された!!外事警察の秘密。

一世を風靡したあのドラマ「外事警察」が映画になって再登場!あなたもその男に騙されるはず!

映画「外事警察 その男に騙されるな」ネタバレ
登場人物とスタッフ
渡部篤郎
映画「静かな生活」
映画「青春の門」
尾野真千子
映画「萌の朱雀」
河瀬直美
遠藤憲一
余貴美子
石橋凌
ARB

話題の情報